近年増えている量り売りのお店。自分の容器を持ち込み、好きなものを好きな分量だけ購入する、エコな生活として話題となっています。今回は、東京にある量り売りのお店を紹介します。
量り売りとは?
量り売りとは、その名の通り自分の欲しい分量の食材や洗剤等を量り、その重さに応じて金額を支払うという方法です。
欧米などでは、スーパーでの量り売りは一般的に行われています。また、欧米のみならず筆者のよく行くインドでもスーパーでは野菜や果物、お米など多くの食材が量り売りされています。
今の時代の日本ではなかなか見かけることのない量り売りですが、昔は量り売りは一般的でした。桶を持ってお豆腐を買いに行ったり、徳利にお酒をついでもらったり。安価で便利なプラスチック容器やスーパーの出現により、段々とその習慣はなくなっていきました。
しかし、近年環境問題の観点からプラスチック容器やゴミの削減を目的に、エコな買い物方法として量り売りが徐々に広がりを見せています。
量り売りのメリット
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量り売りを利用することのメリットは、ゴミ(特にプラスチックゴミ)を減らすことができるという点です。通常の商品は、購入する時点ですでにプラスチックの包装がされていることが多いですよね。その代わりに、自分で容器を持参し買い物をすることで排出されるはずだったゴミを減らすことができます。
また、もう一つのメリットは、食品ロスを防げるという点です。量り売りの場合、自分の食べられる分、必要な分だけ購入することができます。しかし、通常のパッケージされた物の場合は、多すぎたり、少なすぎたり、なかなか自分のライフスタイルに合わないことも多いのが現状です。結果として使いきれずにゴミで出してしまうという経験が多くの人にもあるのではないでしょうか?
以上のようなメリットがあり、量り売りはゼロ・ウェイストの観点からも推奨されています。ゼロウェイストとは、ゴミのリサイクルよりも、まずはゴミの量をへらすために無駄な浪費をやめましょうという考えです。
量り売りのデメリット
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一方で、量り売りにはデメリットもあります。それは、店舗まで直接足を運ばないといけないという面倒くささ。ネットショップが普及している現在、特に若い世代にとっては家にいるだけで食品も日用品も玄関先に届けてもらえる時代です。量り売りは容器を持って、店舗まで行かなければならないので、最初は少し面倒に感じるかもしれません。
というのも、量り売りの店舗自体は徐々に増加しているものの、まだそこまで量り売りというのが日本の中でメジャーになっていないからです。つまり、家の近くに量り売りの店舗がない方が多いと思います。わざわざ遠くまで購入しに行くのは大変ですよね。無理して続ける習慣は続かないと思うので、自分のできる範囲でやっていくのがおすすめです。
食材の量り売りのお店
実際に都内にはどんなお店があるんでしょうか?まずは、生鮮食品、ナッツ、ドライフルーツ、チョコレート等食品の量り売りをしている東京のお店を紹介します。
Bio c’ Bon(ビオ・セボン)

引用:https://www.organic-press.com/feature/japan_report19/
フランスパリ発のオーガニック商品を扱うスーパーがBio c’ Bon(ビオ・セボン)。東京と神奈川合わせて14店舗を運営しています。フランスを始めヨーロッパでは140店舗以上展開しています。
ドライフルーツやナッツの量り売りを始め、野菜や果物も量り売りをしています。普段遣いできるオーガニック、というコンセプトからカジュアルな価格設定を目指しています。
パッケージされている商品も並びますが、そうではない商品を選ぶことでプラスチックゴミの削減につながるのは嬉しいですね。
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nue by Totoya(ニュ バイ トトヤ)
代々木に量り売りのモデルショップをオープンされているnue by totoya(ニュ バイ トトヤ)は、量り売りを日本に浸透させるべくスタートしました。
商品はオーガニックで、ナッツやチョコレートはもちろん、パスタや小麦、ハーブティーなど様々です。モデルショップのため、日曜のみ営業です。
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職人醤油 松屋銀座店

引用:https://www.s-shoyu.com/matsuya
こちらは銀座松屋の中にある醤油屋さんです。
日本各地の80種類以上の醤油を店頭にそろえており、すべて100mlの小さなサイズで販売しています。店員さんに言えば試飲ができるため、自分のお好みの醤油を探してみてください。
火入れをせず、微生物の処理もしていない生揚醤油は松屋銀座だけの取り扱い。量り売りもできるので密封できる容器を持って買いに行きましょう。
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佐野みそ 亀戸本店

引用:https://sanomiso.com/omote/#hakari
味噌のプロである噌ムリエ(ソムリエ)が接客してくれる佐野みそ亀戸本店。それぞれの地域から60種類以上の味噌を取り揃えています。味噌作りを行っていくことは、家族の絆を作っていくことである、という想いで味噌の文化を広めています。
量り売りは創業当時から行われており、300グラム以降100グラム単位で購入ができます。味噌を使い切れないことが多い一人暮らしにもありがたいスタイルです。
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KALDI(カルディ)

引用:https://www.kaldi.co.jp/ec/pro/disp/1/4515996019050?sFlg=2
皆様ご存知、全国的に展開するコーヒーファーム、KALDI(カルディ)。レジ横に置いてあるコーヒー豆は、200グラム以降200グラム単位で量り売りで購入することができます。
個包装されているドリップコーヒーも便利ですが、量り売りでコーヒー豆を買うことでプラスチックゴミの削減に繋がります。豆は、お好みの挽き具合に挽いてもらえます。
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STARBUCKS COFFEE(スターバックスコーヒー)
シアトル発のコーヒーチェーン店であるスターバックスコーヒーでも、コーヒー豆の量り売りをしているのをご存知ですか?店頭の棚に並んでいるコーヒー豆は250グラムの袋入りの物ですが、100グラムから量り売りも可能です。
また、コーヒー豆の購入ごとにスタンプがもらえるポイントカードがあり、豆袋を持参するとスタンプを1つもらえます。ポイントが貯まると豆と交換できるのでぜひ貯めてみてください。
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CACAO MARKET BY MARIEBELLE(カカオ マーケット バイ マリベル)
東京は銀座にあるチョコレートの量り売りをしているCACAO MARKET BY MARIEBELLE(カカオ マーケット バイ マリベル)は、創業者マリベルの故郷であるホンジュラスのカカオを使用しています。国と共同でカカオ栽培事業を行っており、現地の女性を雇用し女性たちの自立を促しています。
ホンジュラスのカカオ豆は、フルーティーで芳香な香りが特徴です。量り売り対象のチョコは、中にドライフルーツやクッキー、ナッツなどがごろごろと入っています。
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FAR EAST BAZAAR(ファー イースト バザール)
世界の文化を東の果ての日本(FAR EAST ファーイースト)に届ける、という意味を持つFAR EAST BAZAAR(ファー イースト バザール)。東京は、渋谷・二子玉川・新宿・吉祥寺にお店があります。世界中のドライフルーツやナッツ、塩、ジェラートなどを取り揃えています。ナチュラルやオーガニックであること、また関わる人すべての満足度を高めるというコンセプトで運営されていらっしゃいます。
店内に入ると、色とりどりのナッツやドライフルーツが広がりワクワクしてきます。すべて無添加、無農薬で50グラムからの量り売りを行っています。
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LABEILLE(ラベイユ)
世界11ヶ国80種類以上のはちみつを取り揃えるお店、LABEILLE(ラベイユ)。東京都内では、荻窪・日本橋・銀座・丸の内・渋谷・新宿にお店があります。
70年以上前に、愛媛の養蜂家としてはちみつと向き合っていたところから始まったこちらのお店。仕入れ先を決めるにあたっては、世界中の養蜂家を訪ね、養蜂家の考えや姿勢に共感できるかを判断軸として決めているそうです。
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Groovy Nuts(グルービー ナッツ)

引用:https://groovynuts.jp/store.html
中目黒と鎌倉にお店があるこちらのGroovy Nuts(グルービー ナッツ)。店主自ら生産地へ赴き、希少品種や最高品質のナッツを豊富に取り揃えています。
ホワイトカカオナッツ、ホワイトピーカンナッツを始め、バーニャカウダナッツ、ベーコンスモークドナッツなど美味しそうなナッツがたくさん…ナッツを使用したドリンクやスイーツも用意されています。
一粒からでも購入が可能で、50グラムで350円ほどになります。
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お酒の量り売りのお店
続いては、お酒の量り売りをしている東京のお店を紹介します。
北嶋屋

引用:http://kitajimaya.jp/liquor.html
武蔵新田駅近くにある酒屋、北嶋屋。日本酒や焼酎、果実酒、どぶろく、ワインなど様々なお酒を取り揃えています。「本物のお酒を安くお客様に提供する」ために量り売りという販売形式をとっています。
量り売りとして売ることで、ボトル代やラベル代を削減。また、大量に仕入れることから希少なお酒を低価格で提供可能となっています。また商品にまつわるストーリーや蔵元の話を聞けるのも魅力的です。
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TAP&GROWLER(タップアンドグロウラー)

引用:https://love-shimokitazawa.jp/archives/23469
下北沢にあるクラフトビール量り売りのお店TAP&GROWLER(タップアンドグロウラー)。全国のクラフトビールを販売しており、常時18種類以上の種類を取り揃えがあります。
試飲も可能で気に入ったビールがあれば、グロウラーと呼ばれる洗って何度も使えるリユースボトルを購入し(グロウラーの持ち込みもOK)、それにビールを注いでもらいます。店内は、食べ物の持込みも可能で角打ちもできます。
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Night Owl(ナイト オウル)

引用:https://night-owl.jimdofree.com/
恵比寿にあるこちらのNight Owl(ナイト オウル)も、クラフトビールの量り売り専門店です。こちらでも、上記の写真にある耐圧容器であるグロウラーを購入し、そこにお気に入りのビールを入れてもらいます。ボトルは、ビールを入れる前に店内で一度洗浄することが決まりで、洗浄できない形状のものはお断りされる可能性があります。
有料ですが試飲もできるので、気に入った味を見つけてみてはいかがでしょうか?
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日用品の量り売りのお店
続いては、洗濯用洗剤や石鹸等、日用品の量り売りをしているお店の紹介です。
ecostore(エコストア)
ニュージーランド発のナチュラルケアブランドのecostore(エコストア)。洗濯用洗剤や台所用洗剤、またベビーケア用品などが揃っています。商品自体は、日本全国にて購入可能ですが、量り売り自体は恵比寿と武蔵小杉の2店舗で実施されています。
環境や人に優しいブランドを目指し、遺伝子組み換えや動物実験をせず、容器はサトウキビが原料の再生可能素材を使用するなど安心して使用できるブランドです。
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Patagonia(パタゴニア)

引用:https://bit.ly/2zPzIfC
100%植物由来の洗濯用洗剤の量り売りが、パタゴニアの店舗でも行われています。パタゴニア自体が、環境問題に対して真摯に取り組んでいるブランドです。
洗剤に関しては、All things in Natureというブランドのものを販売しています。リン、蛍光剤、防腐剤等不使用のため、赤ちゃんがいるご家庭でも安心して使用できます。
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Lush(ラッシュ)
店舗数も多く有名なコスメブランド、Lush(ラッシュ)。動物実験の禁止や環境に配慮し商品の無包装を実施するなど、人や地球に優しいブランドであることを目指しています。
ラッシュでは、石鹸の量り売りを行っています。ラッシュといえば、店頭での泡立てパフォーマンスや一瞬でラッシュとわかる良い匂いが特徴的。石鹸は30グラムから購入可能です。色々な種類の石鹸を少しずつ試してお気に入りを探すのも良いですね。
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まとめ
以上、今回は東京にある量り売りのお店を紹介してきました。忙しい日常の中で、容器を持って店舗まで行くのは面倒くさいと思うこともあると思います。ただ、顧客が増えればビジネスも拡大し、店舗数も増え、自分の家の近くに量り売りの店が増えることに繋がります。無理せず気が向いたときに、ぜひ始めてみてくださいね。