バスルームでできるプラスチックフリー、今回は歯ブラシについてです。殆どの方が使っているのは、柄やブラシがプラスチックでできたものだと思います。結論から言うと、歯ブラシを完全なプラスチックフリーにするのは難しいのですが、そんな中でも今よりもプラスチックフリーに近づける商品を紹介していきます。
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歯ブラシのプラスチック問題
世界中で見ても都市生活を送っている人の多くが使っている歯ブラシ。口のケア用品だけで年間約10億個のものが廃棄 されているといいます。そして、そのほとんどがプラスチックでできており、最終的には地中や海で分解されずに半永久的に存在し続けます。
プラスチックには、製造過程で添加物が加えられています。プラスチックに抗菌作用を与えるものや、プラスチックを柔らかくするものなど種類はさまざまです。一部の添加物は、生物や人体に対して内分泌かく乱作用を起こしたり、発がん性を持っていることもあります。
最近では、プラスチックゴミが海に流れ出し劣化後に細かくなったマイクロプラスチックも問題になっていることから、私達の生活の中でもプラスチックを減らしていく必要があります。
プラスチックフリーの歯ブラシとは?
Photo by Superkitina on Unsplash
近年では、そんな脱プラスチックの流れに対して、プラスチックをなくそうとしている歯ブラシも増えてきています。どんな種類があるんでしょうか?
柄の部分が竹製
柄の部分が竹製のものは、amazonで調べても多く出てきます 。竹製ということなので、もちろんプラスチックは使用しておらず、使い終わった後は、柄部分は100%生分解されます。
また、竹を使用することのメリットがいくつかあります。竹は、他の植物や樹木と比較しても急速に成長することから、資源を持続可能な形で活用できます。また、天然の抗菌・防カビ作用があるため、水回りで使うのにも安心です。
しかし、市場で出回っている竹製の歯ブラシは、ブラシ部分はナイロンでできている、という物が多いのが現状です。ナイロンの中でも石油由来のものと、植物由来のものがあるので天然の毛以外であれば植物由来のナイロンを選ぶのがおすすめです。
ブラシ部分が天然毛
ブラシ部分もプラスチックを使用しないものを選ぶ場合は、天然の毛でできているものがあります。天然の毛は何かというと、馬の毛や豚の毛です。硬めでコシや弾力がしっかりしており、歯の汚れをしっかり落としてくれる一方、歯茎には優しく日本でも売れています。通常のナイロン製のブラシよりも持ちが良く、その点では多少値段が高くてもコスパは良いのかもしれません。
しかし、ブラシ部分が天然の毛のものは柄の部分がプラスチックの物が多く、プラスチックフリーの観点からいくと残念…。
プラスチックフリーの歯ブラシブランド
引用:https://www.nakagawa-masashichi.jp/shop/g/g4547639657367/
プラスチックフリーのための歯ブラシ。できればブラシ部分が天然の毛で、柄の部分が竹製のものが見つかると良いのですが、なかなか見つからないのが難しいところです。欧米ではヴィーガンや動物愛護の観点から天然の毛を使用しないブランドも多いのだと思います。そんな中でも、おすすめの商品を選んでみました。
ファイン
引用:https://www.fine-revolution.co.jp/commodity/toothbrush/entry-510.html
ファインは日本の会社で、歯ブラシや介護用品の製造を行っています。こちらの歯ブラシは、柄の部分がポリ乳酸樹脂(PLA)と呼ばれるものと、竹の繊維でできています。ポリ乳酸樹脂とは、植物由来のプラスチックいわゆるバイオプラスチックと呼ばれるもので、石油由来のプラスチックとは違い地中や海中で生分解されるものです。(※実際は、完全に分解されるまでに、温度や湿度の条件をクリアしなければならず必ずしも分解されないようです。)
なんと、この歯ブラシは、柄の成型から2年以内という使用期限があります。植物由来のものを使っており分解がすすみ柄が割れやすくなってしまうためだといいます。天然の毛でできているものもあるので、安心です。購入は、公式サイトにて可能で1本450円ほどです。
BLUSH WITH BAMBOO(ブラッシュ ウィズ バンブー)
引用:https://www.brushwithbamboo.com/about-the-brush/
こちらの歯ブラシは、アメリカ農務省(USDA:United States Department of Agriculture)に認証されている植物由来の製品です。柄の部分は竹製でできており、ブラシの部分は、100%ひまし油を原料としてできたナイロン製です。また、下記を満たしています。
- BPAフリー
- 遺伝子組み換えを使用しない
- ヴィーガン
- グルテンフリー
- 有害物質を使用しない
その姿勢は徹底されており、梱包は糊やテープを使わず紙のみを使用しています。購入は、公式サイトでできますが、単品販売はしておらず、4本セットからの販売で$20(約2100円)します。もしくは、国内のいくつかのサイト(1 、2 )で単品で販売されていますが、1本当たり約800円するので値段を考えると公式サイトからの購入が良さそうです。
プラスチックフリー歯ブラシの課題
Photo by Karolina Grabowska from Pexels
プラスチックフリーの歯ブラシとして、天然の毛を使用したものや竹製のものを紹介してきました。しかし、これらの歯ブラシにも課題が残ります。
天然の毛を使用している場合はその硬さがなじまない、また竹製の柄は形状が限られているのに加えて口の中で竹の匂いや触り心地が苦手な方もいるかもしれません。海外製のものも多いため、ブラシのサイズが大きすぎて口に合わないという声もあります。
いずれにしても、完全にプラスチックフリーのものを見つけるのは難しいことから、まずは柄だけ、ブラシだけプラスチックフリーなものを試してみて、自分の口や好みに合ったものを見つけるのが大事なのかもしれません。
まとめ
今回は、プラスチックフリーの歯ブラシについてまとめてきました。海外では動物愛護やヴィーガンの観点から天然の毛を扱っているところが少なく、日本では天然の毛でも柄がプラスチックであるなど、完全にプラスチックフリーの歯ブラシは中々見つからないことがわかりました。まずは、一部がプラスチックフリーのものを試して自分に合うものを探していきましょう。
歯磨き粉のプラスチックフリーについてはこちらもどうぞ。