ふと周りを見渡すと、私達の身の回りにある多くの物がプラスチックでできています。プラスチック製品は安価で便利な反面、地球環境の様々な問題とも関連しています。今回は、プラスチック製品の引き起こす問題と、その解決方法として世の中に出ている生分解性プラスチックや天然素材を使用した『土に還る商品』を紹介していきます。
Contents
プラスチック製品の問題
Photo by Volodymyr Hryshchenko on Unsplash
私達の生活に欠かせないものとなったプラスチック。100円均一では、こんなものまであったの?!とびっくりするような便利なプラスチックグッズが並んでいます。しかし、プラスチック製品は安く手に入るからこそ、捨てる時も躊躇なく捨ててしまう方も多いと思います。
ゴミの埋立地を逼迫
捨てられたプラスチック製品は、回収されリサイクルできるものはリサイクルへ、その他は焼却もしくは埋立地へ運ばれます。しかし、プラスチックのリサイクル率は日本では24.8%、世界ではたったの9%です。その他のプラスチックは焼却か埋め立てされることになります。
プラスチックは自然に分解されるものではないため、埋立地へ運ばれると私達の人生よりも長い時間地球に残り続け埋立地の容量を逼迫させます。また、プラスチックの表面には様々な添加物が塗布してあるため、それが土壌を汚染してしまう可能性もあります。
そうなると埋立地の新設という意見もありますが、新設には土地の確保や周辺住民の理解が必要になり、日本での今後の新設は難しいとまで言われています。
海へ流出
日本では、ゴミの回収ルートが整備されきちんと実行されているため、川や海にプラスチックゴミが流出してしまうケースは少ないと言われています。しかし、制度や人々の意識が不足している国では、街中の川や海沿いには大量のゴミが溢れています。
そのようなプラスチック製品は海へ出ると、海鳥やウミガメなど多くの海洋生物が誤って飲み込み、餓死してしまうケースも出ています。またプラスチックは、段々と劣化して小さな固まりに分かれていきます。そうして5mm以下のサイズになったものをマイクロプラスチックといい、海洋生物の体内やそれを食べる私達人間の体内に蓄積されていきます。詳しくは、こちらの記事も参考にしてみてください。
資源の枯渇に加担
Photo by Chris Liverani on Unsplash
プラスチックは何からできているかご存知でしょうか?現存する多くのプラスチックは、石油を原料として造られています。その石油は無限にあるわけではなく限りがあり、このままの使用量でいくと今後50年ほどで枯渇してしまうと言われています。石油が枯渇してしまうと、これまでのプラスチックは生産できなくなってしまいます。
この代替としては、バイオマスなどの再生可能資源を原料としたバイオマスプラスチックの生産がすすんでいます。また、以下で紹介する生分解性プラスチックもバイオマスから造られているものも出てきています。
土に還るとは?
Image by Andrew Martin from Pixabay
これまで述べてきたような問題に対して、近年土に還る商品が注目されています。プラスチックではあるものの、特定の環境下に置くと微生物等に自然分解される生分解性プラスチック。また、コットンやウールなど天然由来の素材でのみで作られた商品も、自然分解の対象になります。ここからは、どんな商品が出ているのか紹介します。
土に還る洋服
引用:https://www.vollebak.com/product/plant-and-algae-t-shirt/
地面と一体化していきそうなこのTシャツ。イギリス発のVollebak(ボレバック)というブランドが作った土に還るTシャツです。
Tシャツは、ユーカリ・ブナ・藻からできており使用後土に還すことで約12週間で生分解されていくと言います。他にも土に還る洋服ブランドがあるので、こちらの記事も参考にしてみてください。
土に還るスニーカー・靴
引用:https://biohotels.shop-pro.jp/?pid=120047328
こちらは、オーガニックコットンやレザーを使用して、合成接着剤等を使用せずに作られた靴です。他にも、トウモロコシやサトウキビ、ウールなどを原料とした靴も発売されています。
土に還るエコバッグ
引用:https://knaplus.com/products/tate-pleats-l.html
プリーツや色合いが可愛いこちらのエコバッグは、ポリ乳酸(PLA)という植物由来の生分解性プラスチックで作られています。一定期間使用した後は、糸もタグもすべて分解されてしまいます。その他、かごバッグなど天然素材のみを使用して作られたものも土に還るのでおすすめです。
土に還る食器・皿
引用:https://www.livinghouse.co.jp/information/2016/63442/
こちらの食器は、農薬を使用せずに急速に成長する竹に注目し、竹の繊維を使用して造られています。竹は、それ自体に抗菌作用もあり成長速度が早いため資源の枯渇につながりにくいというメリットもあります。その他、籾殻やコーンスターチ等を原料としたお皿も販売されています。
土に還る歯ブラシ
引用:https://www.fine-revolution.co.jp/commodity/toothbrush/entry-510.html
こちらは、歯ブラシの柄の部分が生分解性プラスチックであるポリ乳酸樹脂(PLA)で、毛の部分は天然の毛を使用している土に還る歯ブラシです。しかし、歯ブラシは柄と毛の両部分が土に還る素材で作られているものが少ないのが現状です。
土に還る商品を試してみよう
身の回りにあるプラスチック製品を、天然素材のものや生分解性プラスチックのものに変えてみる。多くの人が小さく始めることで、持続可能な社会に近づいていくと思いますので、ぜひ試してみてください。
- 名古屋大学『石油の替わりとなるモノは存在するのか?』(閲覧日:2020/05/20)
- 小野恭子日本のプラスチックごみの行方を知って、冷静な議論を(閲覧日:2020/05/20)
- 関西電力『世界のエネルギー事情』(閲覧日:2020/05/20)
洋服選びも、エシカルに [PR]
CO+(コープラス)は、「100年先も美しいものづくりを、共に」をコンセプトに人や環境に優しいものづくりに取り組むアパレルブランドです。
GOTS認証(オーガニックテキスタイルの世界的な基準)を取得したオーガニックコットンTシャツは、太めの襟とドロップショルダーで1枚でこなれ感が出ます。着心地もサラッとしているので夏にぴったりです。
テンセル™リヨセルを使用したノースリーブは、従来のリヨセルと比較して約50%の温室効果ガス削減効果が見込まれ、トロンとした落ち感が特徴です。
生産をしているインドの工場の紹介や、素材の説明をサイトに載せるなど、透明性のあるものづくりを目指しているブランドです。ぜひ見てみてください。